Abstract

“Virtual Reality Exposure Therapy as Part of a CBT Treatment for Anxiety Disorders: Examples of Practical Use”

2006年 8月30日 2006年国際サイコセラピー会議イン・ジャパンおよび第3回アジア国際サイコセラピー会議

バーチャル・リアリティ技術は、不安障害の認知行動療法における、恐怖対象や恐怖状況へのエクスポージャー法に利用することができる。患者は、バーチャル・リアリティを用いることで、恐怖が引き起こされる仮想空間に入ることができる。例えば、スピーチ恐怖の人は、聴衆のいる講堂の演台に立っている状況の仮想空間の中に入ると、実際にスピーチをするときと同じ不安を感じ生理反応の亢進が起こるのである。そのため、段階的エクスポージャー法の実施により、不安治療が可能となるのである。 最近のコンピューターにおけるハードウェアおよびソフトウェア技術の進歩により、バーチャル・リアリティ・エクスポージャー法は、実験段階から臨床応用段階に進展してきている。実際、バーチャル・リアリティ・エクスポージャー法は発展の初期段階ではあるものの、現在急速に進歩してきている。

バーチャル・リアリティ・エクスポージャー法は、単一恐怖(高所、くも、蛾、雷、閉所など)や、広場恐怖を伴うパニック障害(飛行機、新幹線、電車など)、社会不安障害、PTSD(ベトナムやイラクの戦闘経験者、9.11のニューヨーク・テロやイスラエルの爆破テロなどの経験者など)、およびボディ・イメージの障害などに用いられてきた。バーチャル・リアリティ・エクスポージャー法は、特に日常的には経験しにくい場面に対する、段階的エクスポージャーに向いている。例えば、雷恐怖に対するイン・ビボ・エクスポージャーは、雷がなっているときにしかできない。しかし、バーチャル・リアリティ技術を用いれば、治療セッションの時に雷に対するエクスポージャーを実施することができる。

本報告では、クリニックで実際に30名以上の患者に実施した、バーチャル・リアリティー・エクスポージャー法の実施例を振り返り、考察していきたい。特に、蛾恐怖と飛行機恐怖、および雷恐怖に対して、著効を示したのでその結果をご紹介する。